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帰国子女の悩み 中学受験をどうするか


私自身、もう30年前になりますが、中学受験経験者です。当時もすでに親が面倒見るのが当たり前だったところ、自分で勉強することを決めて、問題を解いて、丸付けをして、間違えたところは解答を読んで理解して、再度解く問題・テスト前に見直す問題を決めて、と本当に全部自分でやりました。そして、中学受験の準備を始めた子が、まずは最初に目指すであろう当時の難関校に入りました。運が良かったと思います。

同級生を思い出すと、正直、小学校低学年の帰国子女の友達は誰もいないんですね。幼稚園はいても、小学校はいないんです。おそらく、小学校で帰国すると、日本の勉強に追いつくのに2~3年かかり、(当時ですら)中学受験には間に合わないということなのかなと理解しています。母校は今も帰国子女受験はないですし、日本の勉強を家でほとんどやっていない娘に、日本に帰ってから一気に頑張らせて母校に入れようなんて気は全くありません。同窓で海外で子育てをしている友人も同様に考えているようです。

でも、特定地域だけの悩みだよね。

海外赴任中、何度も家庭で話題になる「着地点をどうするか」問題。でも、これって、帰国子女受験という選択肢がある地域だけの、特有の悩みなんですよね。今の赴任地は、日本全国、色々な場所から集まっているので、当然と思っていた「中学受験問題」が決してそうではないことを改めて実感しました。おかげで、中学受験によって失われるもの(主に時間)に目が行きがちな昨今です。

一応、中学受験がレアな場所の方のために、付け加えておくと、我が家の住んでいるエリアだと、高校受験に際し内申点の問題があります。副科目はその比重が重くなるので、体育や音楽、美術などで3がついてしまうと、公立トップは受けられないという実態があるそうです。それが、中学受験人気を加速させる理由の一つとか。さらに、帰国子女の場合、これらの科目を日本の小学校のように丁寧に教えてもらっていないので、当初、相当手こずるそうですしね。

色々な考えに思わず納得

調べていくと、中学受験の学校選びも、色々な考えに触れられて勉強になります。私がこれまで触れた考えは、↓のような感じです。

①海外の大学にいくために、とにかく英語を伸ばしてくれる中学・高校がいい

②(①の反対)海外のトップ大学にいくために、英語の授業では楽をして、他の科目を中学3年間で何とか追いついて、オールマイティに。そして、高校のGPAを高める

③国内理系、医学部も視野に入れるため、英語を維持しつつ、英語の余力を理系科目にそそぐ。そこまで学校に英語教育は求めない。

④とりあえず、あまり無理をしないで入れる私立であれば、どこでも。

うちの夫は、④に近い考えです。折角のびのび育っているのに、日本に帰った瞬間に、受験の雰囲気に揉まれていくのはもったいないと。私もその気持ちはよくわかるんです。でも一方で、アジア的勉強のいい面もあって、だからこそ、非母国語環境でも成果を残せる人がいっぱいいるのも事実だと思うんですね。

中学受験のいいところ

中学受験の勉強というのは、4科目いずれも、とても意味があるものも多いと思っています。今、子育てをしながら、当時の知識が活きる場面も沢山あります。しかし、折角、今がんばっている英語をある程度維持向上しつつ、4科目学習しようとすると、学校外で計5科目勉強することになり、小学生が抱える負荷ではないとは思っています。

一方で、小学校で4科目回避しても、結局は、中学校の間に、どの科目も追いつかねばなりません。おそらく4科目受験をした子は、例えば、中学の理社の範囲の50%が新しい知識なところ、娘はほぼ100%が新知識で追いつくということをしないといけないと思います。当たり前すぎて、説明が割愛されることもあるでしょう・・・。それを考えると、結局は、どのタイミングできちんと追いつくか、何年かけて追いつくかというだけの話であり、思春期前に親子で頑張るのか、思春期真っ只中で本人の自己管理のもと頑張るのかの違いなのかと思います。

そう思うと、帰国子女で、かつ4科目勉強しているという方の選択もわからなくないな・・・と。もちろん、親子で聡明だから、取れる選択だと思いますが。

なんともモヤモヤ感が残る日本の受験

海外駐在をチャンスと思って、思い切り英語習得に舵を切っている他国のエキスパット一家も沢山見てきているので、それを考えると、常に「日本の勉強に遅れないように」と塾や補習校に行っている日本人の子供たちが勿体ない気がしてしまって・・・。でも、日本に帰るので、仕方がない。

正直なところ、4~5年かけて、ゆったり英語を維持・向上しながら、他の科目は皆に追いつき、英語以外の科目と英語をバランスさせながら、勉強していけたら一番だと思うのですが、そんなわがままな環境はなかなかなく・・・。難しいですね。

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